初めてこの家を内見した時は、ウッドデッキあるじゃん!とウハウハだった。ところがいざ引越し後にちゃんと見てみたら、基礎がダメになっていて斜めになってしまっている。直そうにもド素人の私たちには、どうすることもできない。
幸いなことに、我が家にはウッドデッキがもうひとつある。そちらは問題なく使えるので、このボロちゃんの方はいっそのこと撤去してしまおうということになった。
早速チェーンソーで切り刻む。かなりしっかりしたヒノキの木材を使ってあり、なかなか刃が入っていかない。木材が切れるが先か、こちらの骨が折れるのが先か…。
ところどころ虫食いで腐っていて、そういう箇所は簡単にボロボロと割れてくれる。家をシロアリにやられるのは御免だが、この時ばかりは虫さんに感謝だ。大人は自分都合で生きている。
8割型終わったところで、作業を1年ものあいだ中断した。こう言うと何か意図がありそうな言いぐさだが、ただ面倒になり放置していただけだ。
というのも、家とくっついている部分は強力なボルトで留まっているのでチェーンソーは役に立たない。どうしたものか。考えているうちに面倒くさくなって、見て見ぬふりを1年も続けてしまったのだった。
冬は寒くて布団の中でグダグダと時間を浪費し続けたが、4月に入り、やっと朝から動ける気候になった。
さぁ、春だ!
さぁ、やるぞ!
つなぎを着て外に出る。この女ようやく起き出したな…といった面持ちで夫も登場。
ノコギリ、ツルハシ、そしてこの両手を使って残りの木板を剥がしていく。
そして、いよいよボルトとの戦い。もちろん、走るほうではない。
もともと残置物としてこの家にあったのか、身内が置いていったものなのか、どこの馬の骨か分からないレンチ氏を納屋から引っ張り出し、使ってみる。

だが錆びついたボルトはコンクリートと癒着し、ビクともしない。
油を差しながら少しずつ、少しずつ回していく。

本当に、「無理なんじゃね?」と何度か思ったが、なんとか撤去完了。
よし、これで今日も酒を飲む口実ができた。 「ウッドデッキ撤去祝い、乾杯!」
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撤去した後は、石畳を作ろう!
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30歳からの田舎暮らし
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田舎産物おつまみ音頭
伊豆の三賢人
このお話は、『30歳からの田舎暮らし~伊豆に移住しました~: 四季報ちゅんぶん2023夏号』に収録されています。
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