※この話は『資本主義の木陰でスローライフ』に収録されています。
家の話
野生動物が狩りに使う時間は1日におよそ2時間くらいだそうだ。
つまり、野生動物の労働時間は1日2時間。
しかし、ニンゲンという動物は1日8時間も働くらしい。
なんて効率の悪い生き物なのだろう。
この非効率の要因は、「家」に対する比重の大きさによるものではないだろうか。
家計に占める家賃の割合は平均3分の1くらいだそうだから、毎日2~3時間程度、住居のためだけに働いていることになる。
年単位で考えれば、優に600時間を超える。膨大な時間だ。
600時間もあれば、何かもっと有意義なことができる気がする。
逆算的に考えてみては、どうだろうか。
収入に応じて生活費の割り当てをするのではなく、生活費を算出してから必要な労働時間を導き出すという考え方。
もし、都会にある新築マンションにどうしても住みたいなら、それ相応の労働時間が必要になる。でも、田舎のボロ物件でいいなら、労働時間はほとんど要らなくなる。
田舎には、0円の物件だってある。
その分リフォーム代がかかるんじゃない?と不安に感じるかもしれないけど、年間600時間も自由な時間が増えたと考えれば、のんびり自分で修繕していくのも面白いと思う。
どんな生活水準を望むのか。それは人によって違うけど、そこまで欲張らずに生活すれば多少なりとも労働時間は減らせると思う。
そんな考え方で、僕は1日4時間という労働時間で生活している。
世間から見たら質素な生活に見えるかもしれない。でも、僕にとっては最高に贅沢な暮らしだ。
工夫しながら生きるのは楽しいし、何より「自然体」という感じがする。だから、こっちが人間の本来の生き方に近いんじゃないかな。
もっと工夫すれば、一日2時間の労働で生活できるかもしれない。 他の動物たちに出来るのだから、きっと人間にだって出来るはずだ。
ヤリョによる解説
月収が20万円くらいの人は、家賃が7万円くらい。
というのが常識になっているような気がする。
これってすごく無駄なことだと思う。
都会に行けば給料も多くなるかもしれないが、それ以上に家賃への支出が大きくなる。
もしかしたら、これを読んで「今の働き方をもう一度見直してみよう」と考える人もいるかもしれない。
そんな想いから、この話を書いた。
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