※この話は『資本主義の木陰でスローライフ』に収録されています。
貯金の話
「田舎でスローライフしている」なんて言うと、「自給自足して、仙人のような生活をしているの?」なんて聞かれることもある。けど、そんな訳ない。そんなストイックな暮らし方なんてとてもできない。
もし現代社会でそれをやろうとすれば、かえってスローなライフは送れない気がする。だから、文明に頼れるところは頼りたい。
お金を使って買い物をして、お金を使って電気代を払っている。
お金は手放せない。お金なしで、生きるなんて考えられない。
でも貯金はというと、それはあまり無くてもいいかなと思う。
もし何かあったらどうするの?心配じゃないの?
そんな意見もあるだろう。
うーん。・・・でも、何とかなるでしょ。
いざと言う時、自分や家族を守ってくれるものは貯金残高だけじゃない。
魚の釣り方を知っていること。
野菜の育て方を知っていること。
食べられる野草と食べられない野草を見分けられること。
会社に頼らず自分の力で多少のお金を稼げること。
貧しい時は、貧しいなりに楽しめること。
本当の資産は、お金なんかじゃない。
自分だけではどうすることも出来なくなっても、助けてくれる誰かがいる。
それも、立派な資産だと思う。
他の誰かが困っている時には知らんぷりで、自分が困っている時だけ「助けてくれ」っていうのは虫が良すぎるけど。
少しばかりの心遣いを持って生きていれば、いざと言う時ご飯くらいは恵んでくれる誰かがいるはずだ。
それすら叶わないとしても、日本で生きている限り生活保護だってある。
僕たちが納めた税金は、僕たちを守るためにある訳だし。
慎ましく生きるだけなら貯金なんてなくたって、そこまで心配する必要もないんじゃないかな。
とくに田舎で生きていると、お金より大事なものに沢山気付ける。
ヤリョによる解説
「全く貯金が必要ない」と、言いたいわけではない。
とくに、田舎暮らしをはじめたてはお金がかかることも多い。
でも、本当に困った時に助けてくれるのはお金じゃない。
無人島にお金を持っていっても意味がないように。
何でもお金に頼ろうとすると、田舎暮らしはつまらなくなる。
お金が無いならないなりに、工夫するのも田舎暮らしの楽しみ方だ。
そんな想いから、この話を書いた。
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『主義の木陰でスローライフ』には、全14話が収録されています。
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