田舎暮らしで無職・低収入で可能?実際に半自給自足してみて分かったこと

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もう、働かずに生きていくことはできないだろうか?

もし働くとしても、息をするために仕方なく働くような毎日から抜け出して、もっと人間らしいペースで、最低限の収入を得て暮らせないものか……。

朝の満員電車、窓ガラスに映る自分の生気のない顔。鳴りやまないビジネスチャットの通知音。深夜のコンビニ弁当。都会の暮らしに疲弊しきっていた頃の僕が、来る日も来る日も考えていたのは、そんな「逃げ」にも似た願望でした。

あなたも、心のどこかで同じような息苦しさを感じたことはありませんか?

結論から言うと、僕が夢見た「完全な無職生活」は、儚い幻想に終わりました。しかし、会社を辞め、都会を離れて伊豆の片隅で暮らし始めた今、かつての自分が渇望した生活を、形は違えど手に入れることができています。

それは、「1日4時間だけ働き、月10万円の支出で豊かに暮らす」という生き方です。

おかげで今は、ストレスという言葉すら忘れそうなほど、穏やかな毎日を送っています。

「そんな生活、本当にできるの?」
「何か特別なスキルがあったんじゃないの?」

そう思うかもしれません。でも、これは決して選ばれた人だけの特別な物語ではありません。僕がやったことは、いくつかの現実を知り、少しだけやり方を変えてみただけ。もしあなたが、今の生き方に少しでも疑問符を浮かべているのなら、僕のささやかな挑戦の記録が、何かを変えるきっかけになるかもしれません。


この記事を書いた人◆

都会の会社員生活に心身をすり減らし、伊豆の小さな町へ移住。現在は、1日4時間ほどの在宅ワーク(Webデザイン)と、畑、釣り、時々狩猟、という半自給自足の暮らしを実践しています。

満員電車も、嫌な上司もいない生活が、こんなに素晴らしいなんて思ってもいませんでした。

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第一章:幻想だった「無職での田舎暮らし」- 最初にぶつかったお金の壁

「田舎に行けば、物価も安いし、家賃もタダみたいなものだろう。畑でもやって自給自足すれば、働かなくても生きていけるんじゃないか?」

恥ずかしながら、移住前の僕は本気でそう考えていました。しかし、その甘い夢は、移住準備の段階で早々に打ち砕かれることになります。

田舎暮らしは、始めるのにお金がかかる。

これが僕が最初に直面した、不都合な真実でした。

具体的に、僕が伊豆に小さな中古住宅を手に入れて暮らし始めるまでにかかった初期費用を、包み隠さず公開します。

項目 金額 備考
中古住宅(畑・山林付き) 650万円 築30年。もっと安い物件もあったが、大規模なリフォームが必要なものが多く断念。
中古の軽トラック 50万円 田舎の生活、特に農業には必須。これが無いと話にならないレベル。
インフラ整備費 約80万円 浄化槽の修理、給湯器の交換など、見えない部分の出費が痛かった。
家具・家電購入費 約40万円 最低限のものを揃えたつもりでも、なんだかんだでかさんでしまう。
その他諸経費 約30万円 不動産取得税、登記費用、引っ越し代など。
合計 約850万円  

正直、愕然としました。「田舎暮らしはスローライフ」なんていうキラキラしたイメージとは裏腹に、そのスタートラインに立つためには、都会でコツコツ貯めた貯金の大半を吐き出す必要があったのです。

特に、家選びは本当に悩みました。ネットで探すと200万、300万といった破格の物件も見つかります。しかし、そういう物件は写真では綺麗に見えても、実際に足を運んでみると雨漏りがひどかったり、シロアリの被害があったり、インフラが整っていなかったり…。結局、修繕費で数百万円かかってしまうケースも少なくないと聞き、ある程度の状態を保った今の家に落ち着きました。

ただ、一つだけ幸運だったことがあります。それは、移住者向けの補助金制度を利用できたことです。僕が移住した自治体では、条件を満たせば最大100万円の支援が受けられる制度があり、これが本当に大きな助けになりました。

もし移住を考えているなら、必ず候補地の自治体のホームページを隅々までチェックしてみてください。「移住支援」「定住促進」「空き家改修補助」といったキーワードで検索すると、思わぬ支援制度が見つかることがあります。申請には手間がかかりますが、やらない手はありません。

こうして、大きな初期投資と引き換えに、僕は田舎での生活の拠点を手に入れました。しかし、それは同時に「無職でいる」という選択肢が、いかに非現実的であるかを悟る瞬間でもあったのです。

第二章:月10万円で暮らすということ – 都会とは違うお金の価値観

初期費用という大きなハードルはありましたが、実際に暮らし始めてみると、日々のランニングコストは驚くほど低いことに気づきました。いわゆる「生活費」です。

これは、都会での暮らしと今の暮らしの家計簿を比較してみると一目瞭然です。

費目 都会での生活(月額) 伊豆での生活(月額) 備考
住居費 85,000円(家賃) 30,000円(ローン返済・固定資産税) 持ち家なので資産になる。
食費 50,000円 20,000円 畑の野菜、もらいもの、道の駅の活用で大幅減。
水道光熱費 15,000円 20,000円 プロパンガスと冬の灯油代で少しアップ。
通信費 10,000円 4,000円 格安SIMと光回線。
交通費 5,000円(電車代) 10,000円(ガソリン代) 車社会なので必須経費。
交際費・娯楽費 30,000円 5,000円 飲み会が減り、自然の中で遊ぶことが増えた。
その他雑費 20,000円 10,000円  
合計 215,000円 99,000円 約11.6万円の削減!

どうでしょうか。毎月の支出が、半分以下になりました。特に効果が大きかったのは、やはり住居費と食費です。

食費に関しては、もはやお金を払って買うという感覚が薄れつつあります。

畑で採れた新鮮な夏野菜
  • :タケノコ、フキノトウ、ワラビなどの山菜が採れ放題。
  • :トマト、キュウリ、ナス、ピーマンが食べきれないほど畑で実る。
  • :サツマイモ、サトイモ、自然薯を掘り、栗やアケビを拾う。
  • :白菜、大根、カブが畑の主役。猟師の友人から鹿や猪の肉を分けてもらうことも。

もちろん、スーパーにも行きますが、買うのは肉や調味料が中心。野菜や米は、近所の農家さんが運営する「道の駅」や「無人販売所」で買うことが多いです。そこでは、都会のスーパーでは考えられないような値段で、朝採れの新鮮な野菜が手に入ります。

都会では、お金を払って「消費」することでしか得られなかった満足感を、田舎では、自分の手で「生産」したり、自然から「収穫」したり、人との「繋がり」から得ることができる。

この発見は、僕の価値観を根底から覆しました。物欲が刺激される機会が減り、高価な服や最新のガジェットがなくても、心が満たされることを知ったのです。

もちろん、ガソリン代や、冬場の暖房費(我が家は灯油ストーブ)など、田舎ならではの避けられない出費もあります。それでも、工夫次第で月10万円以内に支出を抑えることは、十分に可能でした。

第三章:なぜ「無職」ではダメだったのか – 収入ゼロという名の見えない鎖

「月10万円で暮らせるなら、年間120万円。貯金が1000万円あれば、8年以上は暮らせる。しばらくは無職でも大丈夫じゃないか?」

そんな皮算用をしていた時期もありました。しかし、この考えもまた、机上の空論に過ぎませんでした。支出をゼロにできない以上、収入がゼロの状態でいることは、想像以上の精神的プレッシャーとの戦いだったのです。

理由は大きく分けて二つあります。

一つは、税金や保険料といった「避けられない固定費」の存在です。

会社員時代は給料から天引きされていたので意識していませんでしたが、独立すると国民健康保険料、国民年金、そして前年の所得にかかる住民税が、重くのしかかってきます。これらは収入がなくても支払わなければならない、まさに「生きるためのコスト」です。

もう一つは、「突発的な出費」という名の地雷です。

暮らしていると、予期せぬ出費は必ず発生します。

  • 給湯器が壊れた(修理費15万円)
  • 車のタイヤがパンクした(交換費3万円)
  • 友人の結婚式に呼ばれた(ご祝儀・交通費5万円)
  • 親知らずが痛み出した(治療費1万円)

貯金を切り崩す生活は、まるでダムの水を少しずつ抜いていくようなもの。残高が減っていくのを見るたびに、「このままで大丈夫だろうか」という漠然とした不安が、黒い霧のように心を覆っていくのを感じました。

自給自足は、あくまで「生活費を圧縮する魔法」であって、「収入をゼロにしてもいい免罪符」ではなかった。

この現実に気づいたとき、僕は「無職でいる」という夢をきっぱりと諦めました。必要なのは、自由な時間を奪われない範囲で、最低限のキャッシュフローを生み出す仕組みを作ること。そう考えるようになったのです。

そこで僕は、田舎でできる仕事を探し始めました。しかし、ここでもまた、新たな壁にぶつかることになります。

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第四章:僕が見つけた最適解 – 1日4時間で稼ぐ「在宅ワーク」という選択肢

「よし、じゃあアルバイトでもするか」

そう軽く考えてハローワークや求人サイトを覗いてみたものの、そこに広がっていたのは想像以上に厳しい現実でした。求人の絶対数が少ない上に、時給は最低賃金レベル。職種も介護、農業、工場作業などがほとんどで、僕が望む「短い時間で効率よく稼ぐ」という条件に合うものは、皆無に等しかったのです。

途方に暮れていたとき、ふと、ある考えが頭をよぎりました。

「田舎で仕事を探すから、選択肢がないんじゃないか?
仕事の場所が『田舎』である必要はない。インターネットさえあれば、どこにいても仕事はできるはずだ」

そこから僕は、自宅でできる仕事、いわゆる「在宅ワーク」について猛然と調べ始めました。そして、未経験からでも挑戦でき、かつスキルが身につけば安定した収入を得られる可能性のある「Webデザイン」の道に進むことを決意したのです。

もちろん、簡単な道のりではありませんでした。最初はオンラインスクールに申し込み、毎日数時間、必死に勉強しました。都会の友人が仕事終わりに飲みに行っている時間、僕はパソコンに向かい、慣れないコードとデザインの原則と格闘していました。

勉強を始めてから約半年後、クラウドソーシングサイトで初めて仕事を受注できたときの感動は、今でも忘れられません。報酬は、たったの5,000円。でも、それは僕にとって、会社に依存せず、自分の力で稼いだ、何物にも代えがたい「最初の1円」でした。

場所を選ばない仕事のスキルを持つことは、田舎暮らしの自由度を最大化し、精神的な安定をもたらす最強の武器になる。

この確信が、僕のその後の人生を大きく変えました。実績を一つひとつ積み重ねていくうちに、徐々に単価も上がり、継続的に仕事を依頼してくれるクライアントも見つかりました。そして移住から2年が経つ頃には、1日の労働時間を4時間程度に抑えながらも、月に15万~20万円ほどの収入を安定して得られるようになったのです。

第五章:結論 – 「半自給自足 × 在宅ワーク」こそが幸福度を高める生き方だった

ここまで僕の経験を長々と語ってきましたが、結論はとてもシンプルです。

「田舎暮らしで無職」は現実的ではない。しかし、「低収入」でも豊かに暮らすことは十分に可能である、ということです。

その鍵を握るのが、僕が実践している「半自給自足 × 在宅ワーク」という組み合わせです。

  • 半自給自足:生活コストを極限まで下げることで、稼がなければいけない金額のハードルを下げる。
  • 在宅ワーク:住む場所の物価や求人状況に左右されず、都会と同じ水準の収入を得る。

この二つが組み合わさることで、驚くべき相乗効果が生まれます。

  都会の会社員 僕の今の暮らし
月の収入(手取り) 300,000円 150,000円
月の支出 220,000円 100,000円
月の貯金額 80,000円 50,000円
1日の労働時間 8時間 + 通勤2時間 4時間

収入額だけを見れば、都会で働いていた頃の半分です。しかし、自由に使えるお金はそこまで大きく変わらない。それなのに、自由に使える時間は1日に6時間も増えているのです。

この「増えた6時間」が、人生の質を劇的に変えてくれました。

朝は鳥の声で目を覚まし、畑で野菜の成長を確かめる。午前中に集中して仕事を終え、午後は海へ釣りに出かけたり、家の修繕をDIYしたり。夕方には、採れたての野菜と釣った魚で少し贅沢な夕食を作る。夜は、満点の星空を眺めながら、静かに読書をする。

山の景色を眺めながらビールで乾杯する

もう、満員電車に揺られることも、理不尽な上司に頭を下げることもありません。時間に追われ、何かに追い立てられるように生きていた日々が、遠い昔のことのようです。

これが、僕が見つけた「田舎で低収入でも豊かに暮らす」という問いに対する、現時点での答えです。

もちろん、この生き方が万人の正解だとは思いません。でも、もしあなたが今の生き方に少しでも窮屈さを感じているなら、こういう選択肢もあるのだと知ってもらえたら、それ以上に嬉しいことはありません。

もし、「自分にもできる在宅ワークってあるのかな?」と少しでも興味が湧いたら、まずはどんな仕事があるのかを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。

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あなたの人生が、あなたにとって最も心地よいペースで進んでいくことを、心から願っています。

田舎暮らしと働き方に関するFAQ


A.

一概には言えませんが、僕の経験から言うと、賃貸ではなく中古住宅を購入する場合、物件価格とは別に最低でも200万円~300万円は見ておいた方が安心です。これには、車の購入費、インフラ整備費、登記などの諸経費、当面の生活費が含まれます。もちろん、物件の状態や場所によって大きく変動します。自治体の補助金制度を最大限活用することが、初期費用を抑える鍵になります。


A.

可能です。ただし、楽な道ではありません。僕の場合はWebデザインでしたが、最初の半年~1年は、勉強と実績作りに集中する覚悟が必要です。オンラインスクールや教材で基礎を学び、まずはクラウドソーシングサイトなどで単価が低くても実績を積むことが重要です。すぐに稼ごうと焦らず、スキルをじっくり育てていく視点を持てば、道は開けるはずです。


A.

こればかりは地域性や個人差が大きいですが、僕の住む地域では、程よい距離感で良好な関係を築けています。大切なのは「都会の常識を持ち込まないこと」「地域のルールや行事には敬意を払い、できる範囲で参加すること」「挨拶をしっかりすること」だと思います。こちらから心を開けば、野菜をおすそ分けしてくれたり、困ったときに助けてくれたり、温かい人が多いと感じています。移住前に、何度かその土地を訪れて雰囲気を感じてみることをお勧めします。


A.

理想だけで決めないことが重要です。僕が重視したのは以下の3点です。
1. **インフラ**:光回線が通っているか(在宅ワークの生命線)、スーパーや病院、役場へのアクセスはどうか。
2. **気候**:雪深い地域は雪かきの手間や暖房費がかさむなど、自分のライフスタイルに合うか。
3. **自治体の支援制度**:移住者向けの補助金やサポート体制が手厚いか。
いきなり移住するのではなく、まずは「お試し移住制度」などを利用して、短期間住んでみるのが最も確実な方法です。

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