お金を手に入れることが幸福への道であると信じきっている。もはや信仰だ。お金教と言う名の宗教だ。【マナー講師の話~『スローライフとお金のちょうどいい距離間』より】

田舎暮らし

※この話は『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』に収録されています。

マナー講師の話

マナー講師なる人物が、食事マナーのなっていない人に向かって怒鳴っていた。

手段が目的化してしまっているな、と思った。

そもそもは食卓を囲む人に不快な思いをさせないために、食事マナーがあるはずだ。それなのに今や、そのマナーこそが目的かのように振舞っている。

食器が擦れて音を立ててしまったら、怒鳴られてしまうのではないか。箸の使い方を間違えられたら、下品だと思われてしまうのではないか。

そんなことばかり考えていたら、飯がまずくなる。これでは本末転倒だ。

馬鹿らしい。

だけど僕たちだって、お金に関しては同じ過ちをしていることに気付く。

僕の敬愛する思想家ヘンリー・デイヴィット・ソローはこう嘆いている。

「人間は道具の道具になってしまった」

お金は物々交換をスムーズに行うための道具として誕生したのに、今その道具は目的となってしまった。

お金を得るために愛の無い結婚をし、

お金を得るために家族と離れて暮らし、

お金を得るために身体を売り、

お金を得るために人を殺す。

お金を手に入れることが幸福への道であると信じきっている。

もはや信仰だ。お金教と言う名の宗教だ。

人類は自分達の作り出した道具を崇めたて、自ら奴隷に成り下がってしまったのだ。

これ以上の本末転倒があろうか。 行き過ぎた資本主義は、まるでバビルサの牙のように僕たち自身を突き刺そうとしてくる。

ヤリョによる解説

バビルサという動物をご存じだろうか。

伸ばし過ぎた牙が自分に突き刺さるように生えている。(本当に突き刺さるわけではないらしいが・・・)

お金だって宗教のように心酔しすぎたら、むしろ生きづらくなってしまう。

あくまで、お金は道具ということを忘れないでほしい。

そんな想いから、この話を書いた。

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『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』には、全14話が収録されています。

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