人間と機械が仕事を奪い合う社会。最終的には機械が作り手になり、人間は買い手になる。【ベーシックインカムの話~『スローライフとお金のちょうどいい距離間』より】

田舎暮らし

※この話は『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』に収録されています。

ベーシックインカムの話

資本主義と共産主義どちらがいいかと聞かれれば、そりゃ資本主義と答える。これは、僕がそう決めたというより。もはや歴史が証明しちゃっていると言ってもいい。

作り手は、よりよいモノを作るように頑張る。買い手も、よりよいモノを手に入れるために頑張る。この競争によって、世の中はどんどん便利になった。

日本人である僕が今豊かに暮らしていけるのは、まさにこのシステムのおかげであり、先人たちの努力の賜物だ。

だけど、疑問もある。

この先に行き止まりはないのか?と。

機械工学の発達で、現代では単純作業のほとんどを機械がこなしてくれるようになった。

経営者にとって機械の購入費はちょっぴり痛手にはなるが、長い目で見れば人件費が浮く。

だから、だんだんと人が要らなくなってくる。短期間か低賃金で雇うのでない限り、人を雇用する必要なんてない。

もちろん、人間にしかできない仕事だって多いかもしれない。だけど、時代と共にそれも減ってくるだろう。

本来は人間の暮らしを助けるために作られたロボットは、今や人間と仕事を奪い合う敵になってしまったわけだ。

そして、世の中は失業者と低所得者で溢れかえるようになった。

競争に敗れた人間は淘汰されるのが自然の摂理だというなら、それでもいい。

だけど問題は、資本主義というシステムの中では「作り手」は「買い手」であり、「買い手」は「作り手」でもあるといことだ。

だから買い手を殺してしまえば、作り手も死ぬことになる。

作り手がどんなにいい商品を作ろうとも、買い手に購買力がなければ買うことができない。作り手は機械に代用できるかもしれないが、買い手を機械にすることはできない。ロボットは買い物をしないから。

それなのに、肝心の人間は仕事がないから買い物をすることができない。

だから、ますます不景気になっていく。

日本は、今このジレンマの中にいる。そして、この先も抜け出すことはムズかしそうだ。

この状況を、経営者のせいにすることはできない。会社は利益を追求しなければならないのだから仕方がないし。

政府のせいとも言い切れない。小手先の雇用政策でどうにかなる問題でもないし。

もっと根本的な問題だ。

発展し過ぎた社会の代償。

資本主義が背負った宿命。

このジレンマを解決できるのは、『ベーシックインカム』しかなさそうだ。

機械が作り手になり、人間は買い手になる。

競争は維持することができるし、人々はその恩恵が受けられる。

まさに、資本主義と共産主義のいいとこ取りだ。

とは言え、ベーシックインカム導入にも時間がかかりそうだ。 あまり期待せずに、僕はひっそりと生きるとしよう。

ヤリョによる解説

このまま資本主義を維持しようとするなら、いずれはベーシックインカムが導入されることになるだろう。

来年のことかもしれないし、30年後になるかもしれない。

いきなりだと抵抗があるかもしれないから、少しずつ移行していくのもいいだろう。

例えば、「年に3日ずつ祝日を増やしていく」なんて。

まあ、僕は経済の専門家じゃないから実際にどうなるかは分からない。

だけど、ベーシックインカムが導入されようが、されまいが僕にとってはどうでもいいことだ。

経済システムに、なるべく頼らないように生きているから。

だから、どうなろうともあまり困ることはない。

それが、一番幸せなことだ。

そんな想いから、この話を書いた。

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『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』には、全14話が収録されています。

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