機会費用を考えると人生は味気ないものになる。コスパのいい人生なんて、一番コスパが悪い。【四字熟語の話~『スローライフとお金のちょうどいい距離間』より】

田舎暮らし

※この話は『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』に収録されています。

四字熟語の話

スローライフを四字熟語で表すとしたら何になるだろう。

悠々自適?晴耕雨読?自由奔放?

他にも色々ありそうだ。

じゃあ、逆にスローライフに最もそぐわない四字熟語は何か。

それは、一つしかない。

機会費用だ。

「機会費用」は経済用語で、選択しなかった行動を選択していた場合に得られていた費用のこと。

例えば、僕が時給1,000円で働くアルバイトだったとして考えてみよう。

まずは、2時間の映画を見た場合。

映画の良し悪しに関わらず、働いていれば得られるはずだった2,000円が手に入らなかった訳だから、2,000円を損したことになる。

次は、5時間かけて棚を作った場合。

2,000円くらいの出来栄えの棚を作れたとしても、働いていれば得られるはずだった5,000円を損したとことになるから、トータルとしては3,000円の損失ということになる。

それなら、5時間アルバイトして、5,000円の棚を買った方がお得なわけだ。

次は、8時間釣りをした場合。

100円くらいで売られているアジかサバしか釣れなければ、大損。

一匹10,000円くらいで売られているタイが釣れれば、ちょっぴりお得。

タイなんて滅多に釣れることはないから、魚屋で購入した方がたいていの場合お得というわけだ。

次は、野菜を育てた場合。

・・・いや、やめておこう。どうせ、買った方が得だということになるのだろう。

金勘定をしてしまえば、結局はそうなる。

これが、機会費用という考え方。

いかに効率的か、いかに得するか、そんな考え方。

スローライフとは、まったく合わない考え方だ。抜群に相性が悪い。

なぜ、人間はこんな考えをしてしまうようになったのだろう。

おそらく、お金という道具の副作用だ。

お金という便利な道具を手にした人類は、あらゆるものに値札をつけてしまったのだ。

物にも、人にも、感情にも、知識にも、場所にも、時間にも・・・。

なんと、罪深い。

僕は効率的な道を選んで、立派なお墓を建てるために生きている訳じゃない。

誰かが決めた価値と言う呪縛から解き放たれて、本当の豊かさを知りたくて今を生きている。

釣った魚の価値なんて考えたくない。

過ごした時間の価値なんて考えたくない。

ヤリョによる解説

よく「コスパがいい」とか「コスパが悪い」とかいうけど、あれも同じ。

そういう見方が必要な時だってあるかもしれないけど。

全てを金勘定してしまえば、人生は本当に味気ないものになってしまう。

人生丸ごと、もったいない。

だからコスパのいい生き方なんて、一番コスパが悪い生き方だ。

そんな想いから、この話を書いた。

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『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』には、全14話が収録されています。

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