昔のドラマは待ち合わせが下手すぎる。でも、便利さと幸福は比例関係じゃない。【テレビドラマの話~『スローライフとお金のちょうどいい距離間』より】

田舎暮らし

※この話は『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』に収録されています。

テレビドラマの話

30年くらい前のテレビドラマを見ていると、やきもきする。

何がやきもきするかって、うまく待ち合わせができないことだ。

大事な時に限って、男は仕事でトラブルに巻き込まれる。女は喫茶店で3~4時間ほど待ってみるが、とうとうあきらめて帰る。すぐ後に男が待ち合わせ場所に駆けつけるが、わずかに間に合わない・・・。大体こんな感じ。

ああ、やきもきする。

おそらく、こういったシーンは心のすれ違いを比喩的に表現しているのだろう。

だけど、この『待ち合わせ男女すれ違い表現』は、現代ドラマでは使われなくなってしまった。

なぜって、スマホですぐに連絡が取れてしまうから。そもそも、すれ違えないのだ。

「悪い。ちょっと仕事でトラブって、今日は行けなそう。今度埋め合わせするから」とラインすれば、「OK」のスタンプが返ってきて解決。実に簡単だ。

仮に待たなければいけないシチュエーションになろうとも、ゲームアプリでも開けば時間はつぶせる。

スマホというのは、なんて便利なのだろう。

やきもきしないで済む。

でもその代わり、待っている相手のことだけを考える3~4時間は、この世界から消滅してしまった。

たて肘をつき、雪が降る窓の外に目をやると、イルミネーションの下で、仲の良さそうなカップルがイチャついている。

「もしかして今頃、他の誰かと一緒にいるの?」

なんて想いを巡らせながら、窓の結露にハートを書いてみる。

そんな時間は、現代にはもうないのだ。

昔と今、どちらが幸せか。そんなことは分からないし、比べようもない。

分かることは、便利さと幸福は比例関係じゃないってことだけ。

だから僕のヒビ割れだらけのアイフォン7が10になろうと20になろうと、その分幸せになれるということはなさそうだ。 まぁ、そろそろスマホは替え時かなとは思うけど。

ヤリョによる解説

世の中はどんどん便利になっていく。

便利なアイテムを一つ手に入れると、幸福に一歩近づいたと間違いしてしまいそうになる。

でも、全然違う。

もし便利さと幸福が比例関係なら、現代人が一番幸せということになる。

原始時代より、平安時代や江戸時代より、昭和や平成より・・・。

そんなことは、絶対ない。

むしろ便利になりすぎだ現代人のほうが、よっぽど不幸そうに見える。

そんな思いから、この話を書くことにした。

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『スローライフとお金のちょうどいい距離間: 資本主義の木陰で』には、全14話が収録されています。

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